インプルネータとはイタリア・古都フィレンツェの中心部より10km程度南下した場所にある人口1.5万人程度の非常に小さな村で、イタリア国内ではインプルネータという村の名前はテラコッタと同義語とされております。一体なぜなのか?
それは、歴史と経済に不可逆的に結びついており、800年以上続く伝統がそこにあります。
まず、前項にも記したテラコッタを語る上で必要な「良質な土」はインプルネータで採掘される粘土質が造形に適し、柔軟性・耐久性も兼ね備えた最高品質であるという事、そして地理的な位置、窯を焼くための森林地帯の豊富さを含むいくつもの要因があります。


彼等は12世紀初頭、初めての大きな経済成長を遂げます。中世からヨーロッパ圏内では貿易が盛んであり、その結果、インプルネータのテラコッタ建材は当時建設ラッシュだった
ヨーロッパの要塞都市や修道院などの宗教に纏わる施設等に、最高であり最適であるという評価を受けたのです。
又、それにより彼等は神聖でありながらも世俗的な認知を得ました。
そして、時を同じくしてフィレンツェの象徴サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の建設が始まり14世紀~15世紀頃に建てられたドゥオーモの印象ともいうべきドーム型の屋根にインプルネータのテラコッタタイルが飾られ(用いられ)、その地位を確固たるものとし、以後から現在に至るまで、伝統を守り、受け継ぎながらも時代のニーズに合わせながら、常に進化を続ける事で、今日の世界基準での最高評価至るまでになったのです。